あわさんが回顧録を記してくださり。またつらつらと思い出が募りました。
ここんとこよく夢を見ました。筋肉少女17の。ダメ出ししてましたが、何故か高安智美ちゃんでなく同じ劇団の彩莉に、そしてなぜか花紀京氏に。全く分かりません。混乱のカオス、chaos、矢野通です。
本番入ってから付け足したものも多かった。丹下ちゃんなら、おはようー!ってとこ、ぼんちおさむさんみたいに唸りまくってとか。まきゃ(真壁)にラガールショップの書き割りを作ってってお願いし、見事な段ボール製のそれをこさえてくれたのに、でとちり。翌日は早くからスタンバイし、出たはいいけど中々ハケず、はたまた袖から2つ台詞早く出てしまい、戻るに戻れずそのまま残ったり!とまあ、あわさんへの嫌がらせかってくらい悲喜こもごもなシーンでした。
ヘップのラスト公演で、東ちゃんをキン肉バスターに仕留めた後で山浦さんの学ランのボタンが舞台に落ちてたのが気になってハケ際で拾おうと一瞬思ったのが運の尽きで見事ズッコケて、見事に。しかもあわさんの前で。。
あわさんもよく、群唱でヒヤリとさせていた。あの筋肉のユニゾン後でああなったのは、後にも先にもあわさんだけでした。それもまた勲章です。
8年前、ファーストでキン肉ひろみを筋肉少女と改題して作ったあの夏。残暑厳しく飛鳥や南方のあそこで稽古して、飛鳥の用務員のオッちゃんがいつも犬とお兄ちゃんと一緒やって、いつしか顔覚えてくれてニコッと挨拶してくれたり。蚊の刺す公園に線香焚いて缶ビール片手に語ったり。実は吉川ちゃんが公演10日前くらいに高熱で暫く来れなくなり、万一のことを考えて丹下ちゃんに台詞軽くさらっておいてとお願いしていたことや(これは初の事)、あの当時僕の周りで輝いてた若き女優たちのギラギラやキラキラを派手に暴れさせてやろう!シンプルな漫画の世界で真っ直ぐな喜怒哀楽を同世代でぶつけてライバルを意識させてみたい!当時の藤波や長州、鶴田天龍、または武藤橋本蝶野、三沢川田小橋、みたく交流して団体間の垣根を越え同時代のアクトレスの名勝負を観たい!これが狙いでした。そして見事にケミストリーがありました。
あの手ごたえがあり、翌年翌々年とファースト三部作となる女子の世界がありました。彼女たちがなければ僕の劇世界は十三人姉妹で終わってたと思う。あれは初期からの正一ショー女優のみなさんの集大成だった。後の坊っちゃんやマドブラや、レディオ、恋味はまた違ってた。
で、あの頃の世界がまた数年経って東京での筋肉少女に繋がる。あれで丹下ちゃんが遂に主役、ヒロインひろみを演じてもらうことになる。2013年。もう彼女も関西を代表する小劇場女優のひとりだった。しかし彼女をたっぷりと正一ショーワールドにいてもらうことはなかった。時が来た!だった。あの時のメンバーも個性豊かだった。
そして2017年。三度目の筋肉少女。おっとその前に2015年の筋肉少年だ。patchのメンバーで正一ショーをやるならと自信を持って男性版を改訂した。ミートを出さず、テリーをミートのボジションに据えてひろみと棚橋二人の友情を軸にした。ので、マッスルドッキングもヘルミッショネルズは出なく、はぐれ超人悪魔コンビが犠牲に合うことになる。バリエーションは広がった。
そして2017。あの8年前の空気感と、これまでの正一ショーの融合。そこで山浦さんとあわさんは是非と思った。ポタ子のSun‼︎ちゃんゆうちゃん竜崎も。僕の中ではもはや高木ブーの位置にいる吉陸も。二年前に客演先で出会い、昨年外部演出をさせてもらった高安智ちゃん、長い付き合いのヒデシくん、2人芝居もした永津ちゃん、フェブラボ繋がりの中谷さん、この一年でかなりのコラボをしたまきゃ、客演先でしか見てなかった東ちゃん、そしてソラトニワの番組がなければ出会わなかっただろう僕に取っての矢吹、細野江美ちゃん。今回も丹下ちゃんひろみを当初は考えていた。が、対抗する渡が中々いない。はてどうしたものかと考えて考えて、そう!内藤がヒールに転じたようにここは丹下ちゃんをヒールに!そう思いつくとあとはスルスル。ひろみをフレッシュな細野ちゃんにして彼女のポテンシャルを存分に発揮してやると思った。竜崎をお京に据えたのも彼女の信頼あってだ。(かなり肉体勝負できつかったと思うけど、、)実はひろみ案はもう一つあったんだけどそれはまたの機会に。
兎に角、身体のキレの良い女優さんが揃ったこともあって、OPは最高のパフォーマンスとなった。去年参加した竹村くんのメソッドもコッソリ取り込んで、ここはもう寸劇なしでノンバーバルだ!とひろみと棚橋の出会いを台詞なしにしたり。でも余計にオープニング感は増したし。
新感線には勝てないし勝つ気もさらさら無いけど、メタルを使うのはそれなりに抵抗があって、だからハードロックならとレインボーやパーブルを初期は多用してた。でも今回、決勝戦のナンバーと出会いこれで2人を戦わせたい!と閃いてからこの舞台は勝負あったと確信した。そこからさらにオープニングナンバーも繋がり、熱量のあるものが出来た。江美ちゃんも若いのに、影のある孤独な少女の儚さや健気さや強さや、そんな表情をしっかりと浮かべて毎回稽古場で見つめていた。そう、今回はどれも見たいのに見逃したくないのに、俯瞰でフワァっと観るのが精一杯だった。ダンスの時のSun‼︎ちゃんともちゃんの師弟コンビは伸び伸びと活き活きと舞回るし、東ちゃんも自劇団では出せない才能をこれでもかと動き倒し。そして実はあわさんのターンもしなやかでいいんですよ。ねぇ。
僕、山浦さん、ヒデシくんの三人がマスクを付け学ランで黒子になるアイディアも偶然の産物だった。あれでこれまでただの黒子だったのに世界観が増した。
スタッフワークも然り。前回は配役で、その前はスタッフでと、三度目の筋肉少女の南ちゃん。彼女のあのファースト感のある照明デザインがヘップに当たった時は8年前の空気を呼び戻してくれた。
音響の大谷さんは初めての方。何度か現場でお世話になっていた。兎に角効果音をどんどん入れてくれた。決まる技たちも輝きが増した。
ヘップのみのニシノさんも客演先で出会ったが、筋肉少女を気に入ってくれた。
そして松井さん。久々の制作をお願いして、ねぎの代わりに、僕を支えてくれた。何も言わずただ稽古場に来てくれて稽古をじーっと観てくれて。暖房を買ってくれたり。松井さんで良かった。そこからの石垣さんねをさんも心強かった。
映像の森さんも多忙の中、この作品を映像に残してくれた。
ゲストのハシグチさん、エルさんも、プロレスの面白さわー分かってくれてた。またお願いしたい2人だった。
いろんな時代の演劇がある。ぼくは88ねんのクリスマスに観たそとばこまちが初観劇。勿論映画は散々観てはいた。だが違ったー。初ライブは84年のRC京都会館第1。初プロレス観戦は城ホールの長州天龍初対決。初吉本は旧なんば花月の船場太郎さん。色々観てたが演劇はどれでもなかったし、どれよりも心を掴まれた。それからの80年代小劇場演劇ブームから90.00.10年代と幾つもの時代の中で演劇に携わっている。古き良き時代や、新しい時代の感性や、ごちゃ混ぜで、でもやくしあのセンスは変わらないし、やはり言葉と心情で僕は劇世界に引き込まれてゆくから。そこを強く持つ俳優が好きだったりするなと今回解った。彼らそれぞれの演劇への想い、愛情。それを持つ人たちとこれまでも一緒だった。これからも。
(ただ、残念なことに僕にはいまワダカマリあることも一つ二つあってそこにはもうタッチはしないと思っている。残念ながら。)
今度は、じっくりと会場を移動せずにやれたら。とか思ったり、でかいとこで一回だけ、とか思ったり。。
スケジュールが合わずに出てもらえなかった人もいたのでリベンジもしたい。
実は最終書き下ろしの新作も、僕の脳内にフワァ〜と産まれてきてる。
絶対にやる。これは。
筋肉少女17が僕を甦らせてくれたから。
俺は俺の世界でやる。
いっときはご心配かけた関係者様、大丈夫です!
そんな感じで4月1日は空けておいてください。話をしましょうよ桜の下で。
ありがとう超女たち。